●info20021016

権利条約制定への道 第一歩を踏み出す!
−DPI世界会議札幌大会が開幕しました−

   

   「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念札幌フォーラムが10月15日、世界180か国・地域に住む3000人を超える参加者を集め、北海道立総合体育センター・きたえーる(札幌市豊平区)で開幕しました。

   開会式では、DPI日本会議の山田昭義議長、DPI世界会議のジョシュア・マリンガ議長があいさつ。山田議長が「地球市民として世界の障害のある人々の権利の保障、人権の尊厳により生きがいのある社会、平和を築くことがすべての人の願いである」と訴えれば、マリンガ議長も「権利条約が実現すれば私たちの生活もよりよいものとなる。今こそ人権の時代であり、転換期である。我々の仲間に対する責任を問い直すときだ。世界では、いまだに戦争や殺りく、飢餓で多くの障害者が苦しんでいる。障害者運動とは私たち自身が平和のために身を投じること。ぜひ本当の世界の姿を見てほしい」と力強くあいさつし、会場は大きな拍手に包まれました。

   来賓あいさつのあと、八代英太「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラム組織委員長が高らかに開会宣言し、4日間にわたる大会の幕が切って落とされました。

   大会初日は、追悼式のあと、世界銀行障害問題顧問・前アメリカ合衆国教育省次官のジュディー・ヒューマン氏の基調講演、「DPIと権利擁護活動〜権利条約への道」と題したシンポジウムをおこないましたが、話題の中心はやはり「障害者の権利条約」でした。
   1歳半のときに小児マヒとなったヒューマン氏は講演の中で、自立生活運動の中心的リーダーとして活躍するまでに経験した権利侵害の体験紹介や差別禁止のための法制度の大切さを指摘しながら、「どんなバリアがどこにあるのか、一番よく知っているのは私たち。私たちにはあらゆるバリアを取り除いていく能力がある」と力説し、3000人以上集まった参加者を勇気づけました。

   午後におこなわれたシンポジウムでは、ジョシュア・マリンガ議長のほかDPIの中心メンバーや全盲のスウェーデン元社会大臣として有名なベンクト・リンドクビスト氏(国連社会開発委員会特別報告者)がシンポジストとなり権利条約の実現に向けた方策を話し合いました。
   2時間にわたるシンポジウムのなかで、各シンポジストとも障害者権利条約の制定を進めることについては障害当事者団体が一致して推進すべきとの見解を示しました。また、モニタリングや条約実現までの作業プロセス、運動方法などについても多様な提言があり、フロアからの質疑応答もまじえて、活発な意見交換がおこなわれました。

   障害のある人自身が道を切り拓いていくのだという強い意志を感じさせる、障害当事者の祭典にふさわしいスタートの日になりました。

   第6回DPI世界会議札幌大会は10月18日まで開催されます。第2日目(10月16日)および第3日目(10月17日)は、自立生活、女性障害者、障害児、人権、生命倫理、条約、開発、アフリカの十年、アジア太平洋の十年、労働と社会保障など、計15テーマにのぼる分科会が予定されています。


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