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厚生労働省(高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課)では、11月8日、障害者雇用問題研究会(座長:保原喜志夫/天使大学教授)がまとめた「今後の障害者雇用施策について」を発表しました。
報告では、1)特例子会社制度の活用や除外率制度の縮小による雇用の場の拡大、2)「障害者就業・生活支援センター」(仮称)による就業・生活面かたの支援強化、3)精神障害者保健福祉手帳の交付該当者を範囲とした雇用支援等が主な内容となっています。
厚生労働省発表
平成13年11月8日
「今後の障害者雇用施策について」
「障害者雇用問題研究会」報告
趣旨 | 障害者雇用問題研究会(座長 保原喜志夫 天使大学教授)は、平成12年11月より、経済情勢や職場環境の変化等に対応した施策の推進、雇用と保健福祉の連携強化、精神障害者の雇用施策の充実等を課題とし、13回にわたり議論を行い、このたび、その結果がとりまとめられた。 | ||
報告の主な内容 | 障害者の職域等雇用の場の拡大 | 特例子会社制度の活用等による環境整備 | 特例子会社及び他の子会社を合わせた企業グループでの雇用率算定を可能とすることにより、親会社の責任の下で企業グループ全体での障害者雇用への取組を促すことが必要。 (特例子会社制度とは、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を持った場合に、子会社に雇用されている労働者数を親会社に合算して、実雇用率を計算できることとするもの。) |
除外率制度の縮小 | 除外率及び除外職員について、準備期間を置いて、廃止の方向で段階的に除外率を引き下げ、縮小を進めていくことが必要。 (除外率とは、障害者の就業が困難とされる職種の労働者が相当の割合を占める業種に設けられている障害者雇用義務の軽減措置。国、地方公共団体では除外職員を設定。) |
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障害者への総合的支援の充実 | 就業・生活面からの支援の強化 | 身近な地域で、就業面及び生活面で一体的かつ総合的な支援を展開するため、「障害者就業・生活支援センター」(仮称)による支援事業の推進が必要。 | |
職場適応のための人的支援の強化 | 知的障害者、精神障害者等の特性を踏まえた、事業所内での職場適応を援助する外部の専門家による人的支援事業(職場適応援助者(ジョブコーチ)事業)の推進が必要。 | ||
精神障害者の雇用の促進 | 雇用支援の対象とすべき精神障害者の範囲 | 精神障害者保健福祉手帳の交付該当者(手帳所持者及び申請すれば交付される者)とすることが適当。手帳を所持していない精神障害者については、プライバシーに十分配慮した把握・確認方法の構築が必要。 | |
精神障害者の雇用支援施策 | 特性に応じた総合的な施策の推進、ネットワークの構築、採用後精神障害者施策の強化等を実施することが必要。 | ||
雇用義務制度の対象とする方向での取組 | 雇用支援施策の積極的展開による関係者の理解、採用後精神障害者の実態把握等の課題を解決するための取組がまず必要。このため、関係者の参画する調査研究の場を早期に設け、検討を進めていくことが必要。 |
【問い合わせ】
厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課
電話03−5253−1111(内線5852) 夜間直通03−3595−1173