●info0927

全障研
「緊急声明  法と理性による平和的解決を」を発表

 本協議会正会員の全国障害者問題研究会(全障研、茂木俊彦委員長/東京都立大学教授)では、先般アメリカで起こった同時多発テロをめぐる日本政府の対応をめぐり、本日27日、次の緊急声明を発表しました。
    同会では、この緊急声明がより多くの人たちに届くよう、協力を求めています。


緊急声明  法と理性による平和的解決を

    9月11日にアメリカで起こった同時多発テロによって、多くの市民が生命を奪われ、行方不明になっています。テロは、どのような政治的見解、宗教的信条によるものであろうと、許されることのない野蛮な行為です。私たちはこの行為を強く糾弾し、犠牲になった人々に心から哀悼の意を表します。

 アメリカ政府は、今回のテロに対して大規模な軍事力による報復を準備しています。このような行為は、新たなテロに絶好の口実を与え、悪循環を引き起こします。1970年の国連総会で採択された、「武力行使をともなう復仇行為」を禁止する宣言もそのことを警告しているのです。テロを根絶するためには、国連憲章と国際法にもとづいて容疑者とその支援者を逮捕し、法によって厳正に処罰すべきであり、彼らを包囲し捕捉することに、国際社会の粘り強い努力が向けられなければなりません。

 小泉内閣は、国際法上の根拠をもたないアメリカの軍事報復を支援するために、自衛隊の海外派遣を対米公約しました。これは「周辺事態法」などの法律をもってしても合理化することのできない憲法違反の参戦行為です。私たちはこれを断じて許すことができません。

 20世紀は、戦争とテロの惨禍が繰り返された時代でした。原子爆弾、枯葉剤、有毒ガス、対人地雷などの無差別兵器が使用され、20世紀後半だけでも戦争による死者は19世紀の2倍におよび、その90%以上は一般の市民だったとされています。戦闘終了後も、多くの人々は後遺症に苦しんできました。まさに、障害発生のもっとも大きな原因は、戦争による暴力だったのです。

 私たちは、テロと戦争を防止し、法と理性の力による平和的解決を強く求めます。

2001年9月27日
全国障害者問題研究会常任全国委員会


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