日本障害者協議会
| @. | 講習会準備段階における支援 |
・配慮事項についての事前の確認当日必要な配慮について電話等で確認しておく。 コミュニケーション手段(手話通訳者、要約筆記等の必要性等) ※ 初めての方にとっては、自分に必要な配慮についても不明な場合が多いので、事前に、次に示すフィッティングなど実際の試行段階を踏んで講習に備える。また、特殊な介助が必要な(例えば人工呼吸器利用者)受講者の場合、それぞれが必要な介助者を用意するよう、この段階で確認をしておく。・入力機器のフィッティング 通常の「キーボード」「マウス」が使えない方には、事前にその代替手段となる種々のハード・ソフトを試用したり、使える指だけで効率よく操作できるような特殊キー設定など個々の障害にあった利用支援ツールを選んでおいていただく。視覚障害の方の画面拡大や画面読み上げについてもその設定には個人差があるので、時間をかけて確認しておくことが必要である。その際希望者には自宅で事前に練習できるような貸出し制度があると望ましい。 |
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| A. | 講習会における支援 |
準備段階におけるフィッティングで一般的な操作環境が利用可能であれば、当日は一般の健常者に対してのカリキュラムと基本的には同様である。進行については、介助者やサポート講師の数を十分に増員するが、特に@の段階で必要とみなした特殊なハードやソフトをサポートできる講師が必要である。また、障害のためかなり操作に時間が余分にかかるようであれば、一般の講習とは別立てにし、たとえばキーボード操作を中心としたカリキュラムなどを採用する必要がある。特に視覚障害の場合は、専用の読み上げソフトウェアを使用するので特別のカリキュラムに基づく講習会を開催する必要がある。また、聴覚障害者も進行のペース等を考慮すると一般の講習会で同時に学ぶことは難しいケースが多い。 障害別の講習会にする際は、@の事前の準備段階の過程を講習内容に組み込む事も考慮される。 |
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| B. | 受講後の段階における支援 |
・環境設定 @、Aの過程で明らかになった自分にあうツール類及び作業環境を、自宅でも整備することが必要となる。ここでのポイントは、自宅まで出向いて環境設定のサポートをする人的サービスと、障害にあった特注の機器を作成する必要が出た際の技術的サービス等との連携である。ニーズの量と質を鑑みると、専門家とそれを取り巻くボランティアの統合的な支援が現実的であり、受講した方の個別のケース記録をもとに、効率よくそれらをコーディネートしていく担当者の配置が必須である。また、重度障害の方の場合は、@の段階で述べたリハビリテーション機関との連携が必須となる。・コミュニティ支援 講習会によってできた人の輪をその後も継続していくことは大切なことである。その方法の一つとして、自治体のホームページや掲示板を一部その利用に開放するなど、受講者が習得したIT利用技術で障害者同士の相互情報交換を活用の一助とできる。また、メール送信の練習や、ボランティアや専門家も加わった利用技術の相談など、次へのステップにつながる実用的手段となる。 |
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| C. | 正しい作業環境についての定期的な指導、啓発 |
| 健常者と違い、障害の進行や加齢に伴い入力機器や利用ツールも変化していく。したがって、今までの環境がこれからも適切なものかどうかの確認が定期的に必要となる。この過程を怠って不適切な作業姿勢などを長時間続けると、2次障害を引き起こす可能性も高い。リハビリテーション機関との連携により作業療法士が自宅まで出向いて環境の指導を行うなどのサービスが必要となる。 |