VOL.22-11 | 通巻NO.272 | |
作 家 | 飯田弘道(いいだひろみち) | |
作品名 | 雪化粧 | |
解 説 | 初雪が観測されると気象庁と報道機関に人の動きが出ます。降雪は3日も続くと空と新幹線は運休し、そのため多くの人が動員され、担当者はうろたえたりします。 雪の影響で物流がマヒすると食材を確保するため、市民はてんてこ舞いを演じますが、子どもたちは雪遊びが楽しめるので大喜びです。 私も雪は好きです。 (東京コロニー・アートビリティ提供) |
巻頭言 | 1 | 選択の自由と自己責任 |
・・・社会福祉法人復生あせび会相談事業部・あせび会会長/JD理事 佐藤エミ子 | ||
特 集 | 2 | 今後の特別支援教育のあり方について−第2回教育懇談会より− |
T.第2回教育懇談会の開催報告 | ||
・・・全国LD(学習障害)親の会副会長/JD政策委員 山岡 修 | ||
U.今後の特別支援教育のあり方について | ||
5 | −真に一人ひとりにあった教育を願って | |
・・・全国重症心身障害児(者)を守る会 岩城 節子 | ||
6 | −人的・物的資源の量的整備は依然として重要課題 | |
・・・全国障害者問題研究会全国事務局次長 中村 尚子 | ||
7 | −共生の実現のために…当事者を中心に据えて | |
・・・日本知的障害福祉連盟常務理事/明治学院大学教授 金子 健 | ||
パラボラアンテナ | 8 | 画一化する危機 |
・・・花田春兆 | ||
世界の動き | 9 | 障害者の権利擁護と主体性確立の議論が深まる−「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念大阪フォーラムを終えて |
・・・日本障害者リハビリテーション協会副会長/ 国際生活機能分類(ICF)日本協力センター代表 上田 敏 |
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10 | APWD(アジア太平洋障害者ワークセンターネットワーク)総会・国際セミナー | |
・・・JD広報委員/ゼンコロ 荒木 薫 | ||
Information | 12 | 団体・地方・行政の動き、トピックス、お知らせ |
・・・JD事務局長 小野 隆 | ||
加盟団体紹介 | 15 | 障害者スポーツの現状 |
・・・日本障害者スポーツ協会事務局長 岩坪 勝 | ||
16 | 次号予告・活動日誌(1月) |
■選択の自由と自己責任
復生あせび会相談事業部・あせび会会長/JD理事 佐藤エミ子
国際障害者年プレ国民会議から数えて23年、生まれた子どもも、もはや成人、思春期を通り越し一人前の社会人になる歳月、障害者問題はどう成人しただろうか自問してみる。
昨年は「アジア太平洋障害者の十年」最終年で盛り上がったようだが、参加できない者にとっては遠く仕掛花火を見るように感じられた。国を挙げてのイベントであり、それなりの意義はあったと思うが、身近に感じることができずに終わった。
サボタージュしていたわけではないが、やたら会議会議の連続で、目線にあったものを選ばねばならないという内部事情もあった。さらに昨年は「改革と見直し」という施策が多かった。「障害者基本計画」をはじめ難病関係では「難病対策」の見直しも進められた。デフレと呼ばれる経済状況の中で、かつては年末ぎりぎりまで続いた国家予算も昨年は12月後半早々に決まった。
時代の変化が早く現場はついていけない。問題になっている支援費制度も、介護保険のスタートの時と同じものを感じる。一般庶民は与えられたものを受けざるを得ない。それは超特急便に乗り、途中下車不可ということである。当事者以外の多くは、ほとんど制度の内容も解っていない。とはいえ、日本の障害者施策もこの20年で大きく変化したと感じている。
だが、新しく障害をもった人にとっては、今の公的サービスが、関係者の必死の運動により実った制度と理解する人はいない。20年前は人権無視の施策に自己主張することが精一杯だった障害者運動が、今は「権利」の主張や「権利擁護」が盛り上がっている。だが個人的には、当事者の権利や権利擁護も当然ながら、家族とその周辺の権利擁護も考えなければ、国民の平和と安全は保障されないように思う。
さらにIT時代に入り、プライバシーの保護が叫ばれているが、個人情報の漏洩は続き、今やプライバシーなどないと思ったほうが気が楽である。障害の発生予防、難病の発生のメカニズムなどの研究が進められることによって、失われていくプライバシーの危機。難病でいえばゲノム産業が生まれる大変な時代を、私たちはどう受け入れ遺伝子診断を含め、先端医療と向き合っていくのか、突きつけられた課題の重さを感じる。
これからは新たな自己選択と自己責任を伴う社会、時代を見据えた確かな自覚の必要性を痛感している。