VOL.22-10 | 通巻NO.271 | |
作 家 | 夢村(むそん) | |
作品名 | こどもししまい | |
解 説 | 「しし舞」を実際にご覧になったことがありますか? そういう私も、テレビや雑誌等でしか見たことがありません。現代の子どもたちは「しし舞」を知っているのでしょうか? 大人さえも見たことがないもを、子どもが見るはずもありませんし、知らない子も少なくないはずです。 日本古来からの伝統芸能を守っていくこと…。それが私たちに課せられた使命なのかもしれません。 (東京コロニー・アートビリティ提供) |
巻頭言 | 1 | 魂をつなぐパソボラ・カンファレンス |
・・・JD理事/情報通信委員長 薗部 英夫 | ||
特 集 | 2 | これまでの施策を振り返り、障害者運動の新しい明日を築く −「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念・東京セミナー− |
お知らせ | 9 | パソコンボランティア・カンファレンス2003 in さいたま開催案内 |
加盟団体紹介 | 10 | 地域生活支援の実践研究の結集軸に |
・・・全国障害者生活支援研究会理事 小林 博 | ||
11 | JBS日本福祉放送、社会福祉法人視覚障害者文化振興協会 | |
・・・社会福祉法人視覚障害者文化振興協会理事長 笹川 吉彦 | ||
Information | 12 | 団体・地方・行政の動き、トピックス、お知らせ |
・・・JD事務局長 小野 隆 | ||
アジア太平洋障害者の十年 | 15 | 「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラムの募金活動へご協力いただき、ありがとうございます! |
16 | 次号予告・活動日誌(12月) |
魂をつなぐパソボラ・カンファレンス
JD理事/情報通信委員長 薗部 英夫
最新の岩波書店のハードカバーに、こんな下りがある。「オンラインだけでなく、実際にその人のそばにいって状況を見てくれる、学生や社会人、主婦の輪が必要だということが見えてきた。この活動は「パソコンボランティア」と名づけられた」「この動きは「パソコンボランティアネットワーク」として多くの地域活動をインターネットでつないで発展していく。熱心な関係者によってその記録が出版されたり、毎年、カンファレンスが主催されたりしている」(関根千佳『「誰でも社会へ」』)。関根さんは、情報のユニバーサルデザイン研究所(ユーディット)社長。日本初の障害者支援技術の展示・相談センターである日本IBM・スペシャルニーズシステムセンターの熱血課長だった。いまでも「パソボラ」の主要メンバーの1人である。
まさに名もないとりくみだった「パソコンボランティア」は、いまでは一般名詞として普及している。草の根のとりくみの造語が行政用語になるのも珍しいのではないだろうか。ITは障害者の可能性を広げる。でも使うのは困難。「助けて!」に応えることがどうしたらできるだろうか。そんな一人ひとりの思いや願いがインターネットを介してつながっているのである。
1993年。JD理事会は、当時の調一興代表(ゼンコロ前会長)の決断で、「情報通信ネットワークプロジェクト」を発足させた。先駆的ではあるが小さな実験プロジェクトは、数年後「パソボラ・カンファレンス」としてパラリンピックの文化イベントに発展する。尻をたたいたのは当時の総務委員長・田中徹二(日本点字図書館理事長)さんだ。2000年秋の「IT基本法」、「IT戦略本部」の動きには、重度の脳性まひ者で俳人の花田春兆副代表の電動車いすを先頭に内閣府や総務省、厚生労働省などに出かけた。「ものだけではなく人的支援体制の制度化を」の提案は、今も訴えつづけている。花田さんとともに内閣府参与を務める清原慶子さん(東京工科大学メディア学部長)も、初期からの頼もしいアドバイザーである。
障害者の一人ひとりの願いを真ん中にして、さまざまな人たちの連帯の輪が強く太くなっている。そんな人たちが一堂に会する場、パソコンボランティア・カンファレンス2003は、2月、埼玉で開催される。新しい出会いが楽しみだ。