VOL.22-8 | 通巻NO.269 | |
作 家 | 飯田弘道(いいだひろみち) | |
作品名 | もみじ狩り | |
解 説 | 半逆光気味にもみじ林を薄目で見上げると、真紅、朱、橙、黄の分布勢力の影響によって偏った色彩に見えることが分かります。スーラはそれを利用して、点描技法を開発して有名になりました。 現在、カラー写真の印刷物もルーペで拡大してみると、四色のインクの網点で成り立っていることを興味深く感じます。 (東京コロニー・アートビリティ提供) |
巻頭言 | 1 | てんかんを含む総合福祉法の制定を |
・・・日本てんかん協会常務理事/JD理事 福井典子 | ||
特 集 | 2 | 「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラム国際会議開催! −「障害者の権利実現へのパートナーシップに関する大阪宣言」採択・大阪フォーラム− |
3 | 国連「障害者の機会均等化に関する基準規則」の総括と障害者権利条約へのインパクト (講演者:ベンクト・リンドクビスト国連社会開発委員会特別報告者)) |
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6 | 障害者の権利実現へのパートナーシップに関する大阪宣言 | |
お知らせ | 8 | パソコンボランティア・カンファレンス2003さいたま開催のご案内 |
加盟団体紹介 | 10 | 日本精神保健福祉士協会 |
・・・事務局長 木太 直人 | ||
11 | 精神医療保健福祉の抜本的変革を −日本病院・地域精神医学会のめざすもの− |
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・・・事務局担当理事/精神保健福祉士 古屋 龍太 | ||
Information | 12 | 団体・地方・行政の動き、トピックス、お知らせ |
小野 隆 | ||
15 | 正会員のイベント予定 | |
16 | 次号予告・活動日誌(10月) |
てんかんを含む総合福祉法の制定を
日本てんかん協会常務理事/JD理事 福井 典子
障害者基本法で、身体・知的・精神が3大障害と規定され、早や10年にもなろうとしている。
それなのに前のふたつに比べてあとの精神障害についての施策の著しい遅れに憤らずにはいられない。交通運賃割引も障害者雇用率も、福祉諸施策も対象にならないままで推移して久しい。
わが国の障害者施策の全般的な遅れについては言わずもがなであり、今また、構造改革の名による公的責任の撤退が進んでいるのも許せないことだが、せめて一刻も早くこの矛盾を解消し、すべての障害者を同等にしてほしいと願わずにはいられない。しかも「てんかん」は、その精神障害に準じた型で施策を受けているのでさらに遅れが著しいのである。
「発作が起きて会社をクビになりました。この先、どうやって生きていけばよいのでしょうか」という電話相談、時として途方にくれる程の厳しい現実が立ちはだかる。百万人といわれているてんかん患者が社会的不利の中で、こんなに懸命に生きているのに、国は法の下で障害者とは認めていない。この不条理を私たちはどうしても打開しなければならない。
せめて、てんかんや自閉症、稀少難病などすべての障害を含む総合福祉法を早急につくるべきである。
JDでももちろん、この要求を高く掲げているが、どうもこのところ後景に押しやられてきているような気がしてならないのである。
「障害者差別禁止法」も「障害者権利条約」の制定も大いに賛成である。しかし、わが国の障害者施策のこの不平等を埋める、まずすべての障害者を同じ立場におくべきではないだろうか。そしてこの訴えを最も声高に叫ばなければならないのは、今なお法の谷間に置かれているこれら障害の当事者たちではないのか。
JDに結集している諸団体も日常的な連携と話し合い、相互理解を深める機会をもっともつべきではないだろうか。たしかにそれぞれ活動に忙しいあけくれではあるが、常に一致できる要求での共闘の場をいっそう広げていくべきだと痛感させられている。
今年、「アジア太平洋障害者の十年」の最終年を経てさらに10年の延長が決定され、すべての障害者の横断的な連携で諸要求の実現が目標になった。
国内では、新しい障害者計画の策定が進んでいる。
来るべき2003年は障害諸団体の大同団結の中で、総合福祉法制定にむけて必ずや確実な橋頭堡を築いていきたいものである。