2002年「JDジャーナル」4月号

2002年度JDジャーナル4月号表紙作品へ VOL.22-1 通巻NO.262
作 家 飯田 弘道(いいだ ひろみち)
作品名 森のデュオ
解 説  静物画、風景画などを描く場合、絵画に少しでも携わっている人なら、対象物をそのまま描くことは比較的容易なことです。しかし、その質感まで表現することは難しいそうです。
 この作品では、森の中に入ると感じる質感(この場合は湿度ですが)を心で感じることができます。
 飯田さんは、障害をもつ前はプロのカメラマンでした。写真により表現していた質感を、見事心の目を通して表現しています。自らの経験を絵画の世界で活かしているのです。

* Contents *

巻頭言 大阪・秋の陣
・・・JD副代表 花田春兆
特 集 最終年フォーラムのめざすもの
T.みんなの力で進めよう!最終年フォーラム
 わが国障害者分野の底力を示したい
 「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラム実行委員会委員長/
日本障害者リハビリテーション協会副会長 板山賢治
最終年フォーラムを新たなステップに
「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラム組織委員会副委員長/
日本身体障害者団体連合会会長 兒玉 明
U.座談会「最終年フォーラムのめざすもの」
私の論壇 JDを斬る(5)−第2の波の原動力に
NHK記者 小形修一
加盟団体紹介 11 介助犬の健全な普及をめざして/日本介助犬アカデミー
 日本介助犬アカデミー専務理事 高柳友子
Information 12 団体・地方・行政の動き、トピックス、お知らせ
 JD広報委員 大野智也
トピックス 15 いま輝いて生きること(上)−養護学校から女流王将へ−
  第21期女流王将 石橋幸緒
16 次号予告、活動日誌(2月)

* 巻頭言 *

■大阪・秋の陣

JD副代表 花田春兆


 先日の理事会の報告事項の中に、意外とも思われる一項目があった。

 「アジア太平洋障害者の十年」最終年フォーラムに関わることだが、JDや加盟諸団体を含む障害者関係団体の事務責任者、つまり裏方の連絡交流会で、最終年記念事業についての意見交換で、盛り上がりどころか滲透度でさえ、いま一つではなくいま三つくらい欠けた状態にあることが判った、というのだ。

 JDに役員を送りこんでいるような大組織はともかく、さもないところは機関誌にも登場させていない状況が見られるというのだ。
 もちろん、各団体とも当面する自分たちの問題の処理に手一杯で、他を見たり他と付き合う余裕はないし、不況の滲透度は完璧なのに、募金まで絡まれては余計に二の足を踏みたくもなろうというもの。
 わが〈しののめ〉も、弱小過ぎて比較にならないけれど、ご他聞に漏れない状況だ。と言ってもいられまいから、紙面協力くらいはしなければと思う。

 最終年の打ち上げに大阪の堺市で開かれる国際会議を、私は密かに大阪・秋の陣と呼んでいる。
 豊臣が滅亡し徳川三百年の基礎が決定した大阪冬の陣・夏の陣に、なぞらえたのは直ぐにお判りになると思う。

 障害者にとってそれが、決定的なものになることは疑いようはない。21世紀が事実上始まるのはこの時だし、この時を逃しては当分国民的規模でのアクションと成り得るチャンスは期待できない。

 欠格条項の総点検、市町村障害者計画策定の推進、情報バリアフリー化とIT環境の整備促進、これら3つのキャンペーンの柱はもとより、支援費制度の実施、新障害者プランの策定と、国家百年の計とまで行かなくても、21世紀初頭を決定付けてしまうものが、目白押しに確定する"時"でもある。

 この時、外圧をも利用できる国際会議という場を活用せずに、障害者側の声を結集させずに終らせたのでは、悔いを残す程度では済まないのではないか。

 知り合ったC新聞の社会部の記者は、高齢者担当らしかったが、障害者の存亡の岐路の時を察知してか、大阪・秋の陣の陣中でまたお会いしましょう、と再会を約束してくれた。

 だがその前に、札幌のDPI大会が控えている。


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