●最新のニュース20051031

障害者自立支援法の成立にあたっての声明

10月31日午後衆議院本会議において、障害者自立支援法が成立したことに対し、本協議会は直ちに下記の声明を発表いたしました。 

                                          日本障害者協議会

    代表 勝又 和夫

 本日、第163回特別国会の衆議院本会議において、障害者自立支援法(以下、自立支援法)が成立をみました。法案への疑問や問題点が十分に解明されないままでの可決成立であり、極めて不本意であることをここに表明します。

 さて、成立をみた自立支援法には、精神障害者施策の拡充などいくつかの点で私たちの提言や要望が受け入れられています。しかし、その真髄が応益負担制度(原則一割の定率負担)の導入にあることは周知のとおりで、これをもってして積極面のすべてが霞んでしまうと言って過言ではありません。ニーズが多ければ多いほど負担が増えていく、すなわち障害が重くなればなるほど負担が増すというのが応益負担の考え方です。応益負担制度への切り替えは、わが国の障害者政策を根幹から揺るがすものであり、障害のある人びとの自立と社会参加を阻んでいくものとなりかねません。

 また、法案の決定的な欠陥として、「医療と福祉」「子どもと成人」の機械的で強引な一元化があげられます。さらには、基幹的な政策課題のことごとくの欠如も看過できません。所得保障にしろ、障害の定義にしろ、法的な根拠を備えたサービス基盤の拡充策など、当協議会が早い段階から提言していたにもかかわらず、これらが法案に反映されることはありませんでした。

 さまざまな問題点を内包する自立支援法であり、決定的な欠陥を有する自立支援法ですが、今となっては否が応でもこの法の下で私たちの生活を形づくるしかありません。無念さに涙したあの厚生労働委員会での採決の瞬間、忘れることはないでしょう。私たちは、法案の成立をもって運動の終局とするのではなく、今般の成立を新たな運動の起点としていきたい、こうした決意にあることをここに宣言します。

 そこで、私たちは私たち自身として、法の施行に備えていく所存です。具体的には、地域や現場でどういう状況が生まれるのか、何がどう変わるのか、全国の障害当事者や関係者に広く呼びかけて、共通の観点で影響の実態をチェックしていきたいと思います。

 厚生労働省に対しても、強力な働きかけを行なっていきます。当面、今後明らかにされる政省令の内容に対し、しっかりと意見提起をしていきます。自立支援法には、いわゆる「三年後見直し規定」があり、その意味でこの法律は三年間の暫定法という捉え方ができようかと思います。所得の確保策や障害者の範囲についても、向こう三年間のうちに検討を進めるとしていることに対しても、目標水準をどこに置き、検討体制やスケジュールをどう設定するのかなど、これらを明らかにするよう働きかけていきます。

 また、国会に対しても要請していきます。課題が山積している障害者政策であり、是非とも超党派による恒常的で専門的な検討の場を設置し、立法府としての責任の発揮を求めていきます。

 最後になりましたが、今日まで私たちの運動にご理解いただいた市民のみなさん、私たちの声を社会に届けてくださったマスコミのみなさん、野党のみならず与党を含め本法案に心を砕き尽力いただいた国会議員のみなさん、心からお礼申し上げます。引き続き、わが国の障害分野の発展のためにご支援いただきますようお願いいたします。


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