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改革のグランドデザイン案に関する全体会議を開催

 

−日本障害者協議会「改革のグランドデザイン案」に関する全体会議−
日時:2004年12月25日午前10時から12時
場所:かんぽヘルスプラザ4F(東京・池袋)
次     第
進行: 藤井克徳常務理事
1.開会あいさつ    河端静子代表
2.「グランドデザイン案」等に関する状況報告 藤井克徳常務理事
3.JDとしての見解と対応 太田修平政策委員長
4.全体討議
5.閉会あいさつ 花田春兆副代表


会議の状況
2004年12月25日に「かんぽヘルスプラザ」において、日本障害者協議会(以下JD)「改革のグランドデザイン案に関する全体会議」が開催され、 33団体62名が出席した。
会議は、河端代表の挨拶に始まり、次いで藤井常務理事が去る10月12日に厚生労働省から示された「改革のグランドデザイン案」をめぐる状況について報告を行なった。2004年1月の介護制度改革本部の設置にはじまった介護保険と障害福祉施策の問題をめぐっての障害当事者、行政当局、政府及び各政党等との間に行なわれた諸経過についての説明が行なわれ、次いで本会議の開催趣旨の説明がされた。
続いて太田政策委員長から、10月12日に厚生労働省から提出された「改革のグランドデザイン(案)」(以下、「グランドデザイン」という。)に対し、「私たちが長年切望してきた総合福祉法の実現になるのかと期待を持ったが、そうではなく、『障害の谷間』の問題が根本的に解決されていないこと、さらに、『応益負担』という重要な課題も突きつけられてきている。」と述べられた後に、「改革のグランドデザイン(案)に対する緊急意見書」(案)と「応益負担の導入に関する見解(案)」を中心にして、討議が行なわれた。
@ 施設体系に関して
藤井常務より、グランドデザインには書かれていないが、重要な問題として施設体系の再編問題があり、多数の人々が日中活動する場作りについての財源が確保されていないとの説明があった。次いで精神障害者支援の立場から、個別給付になると、いわゆる「箱もの」の施設に関しては、経営が不安定になるとの発言があり、給付方法に関して意見が分かれたが、基本的には国の公的責任が薄まり、自治体格差が出るのは望ましくないので、市町村義務経費化を要望するということで意見の一致をみた。
A応益負担の「益」とは
続いて、サービスの利用に対して、これまでの応能負担から応益負担になる問題について議論された。
応益負担に対して批判的な立場からの意見が相次いだ。「応益負担の益とは何か、障害者の益をどう捉えるのか。また、負担をどう分担していくのか、など様々な問題があり、例えば障害者が結婚し、家庭を築くなどは、当たり前の暮らしを実現することなのだが、これらが負担をはるかに超えることになると応益であるというのは押し付けだと思う」、「コミュニケーション障害に対する情報保障が果たして『益』に当たるのか」、「多くの障害者が現状の収入状況で1割負担を払いきれるのか、サービスを使いたくても利用できないのではないかと懸念している」、「生きている限り治療を受けなくてはならない人にとってそれが『益』なのか」といったような具体的な事例をあげての発言がされた。
これに対して応益負担に賛意をもつ側からの意見として、「生活できる所得保障された上で、サービスに対価を払うことが自立ではないか。それゆえに所得保障問題に対して積極的に主張をしていくことが、本当の意味での障害者の自立につながる。このような条件が満たされた場合には、応益負担がはじめてありうるのだ」との趣旨の発言がされた。
また、「応能負担から応益負担の流れは選別主義から普遍主義への流れであり、普遍主義的なあり方のほうがスティグマが少ないので、厚生労働省は低減措置をとるとの発言もしているので、この点をJDとしては強く要求する方法もあるのではないかと思う」などの意見も出された。
これらの議論を受けて、藤井常務から、「今度の厚生労働省がやっている応益負担は応益負担といえるのか。障害を持つ人と障害を持たない人が同列になるのを応益というのは如何なものなのか。これでは応益負担という名の強制徴収制度をつくることになるのではないか」と発言がされた。
最後に、太田政策委員長より、今日の討論を踏まえて、厚生大臣宛ての資料5の1と2の文書を加除修正し、年明け早々に厚生労働」大臣に日本障害者協議会から提出したいとの発言がされた。


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