●最新のニュース2004032233927重大な触法行為をした精神障害者の処遇に関する法律案(仮称)の概要」に関して、要望書を提出
支援費制度と介護保険の統合論議が高まりをみせているなか、3月20日(土)当協議会が主催して新宿:戸山サンライズにおいて、鹿児島大学教授の伊藤周平氏を招いて学習会を行った。70余名の参加があった。この企画は連続学習会の第1弾として位置づけられるものである。
伊藤氏は、今回の統合問題は介護保険財政の破綻が見えていることから、被保険者を20歳以上に引き下げたいとする財政当局の意思が強く働いているのではないかと分析した。介護保険のスタート時に比べサービス量は大幅に伸びており、2006年度以降は介護保険料の大幅な高騰が予想される。
「措置」は悪いイメージがあるが、サービス量が用意されていれば、実質的には利用者は選択できる状況もあったと述べ、自己選択・自己決定を掲げる介護保険などは言葉としては美しいが、実質的には社会資源が圧倒的に不足しているなか、選択権はないに等しく、事業者本位となっている、と述べた。
支援費制度になり1年も経っていないのに、介護保険制度との統合が提起されるのは納得できるものではないし、時間をかけて議論をすることは本当はできないわけがない、と強く力説した。
社会福祉基礎構造改革による制度再編は、弱い立場の者から順々に行われている。高齢者、次が障害者、そして児童というように、規制緩和や民営化などが進められている。
介護保険の最大の問題点は、「利用料の1割負担である」。これによって低所得の高齢者は「自己決定」の名のもと、サービスの抑制を行わざるをえない状況になっていると指摘した。
さらにコンピューター判定にも多くの問題が存在している。新しいソフトになり、介護度が軽くなったという話もある、と述べた。
介護保険の改革の課題として、保険料の定率化や、サービスの10割給付、コンピューター判定でなく、現場の裁量に任せていく認定方法などを挙げた。
将来的には、高齢者福祉や障害者福祉を税方式に戻し、児童福祉をも統合した社会サービスのようなものが必要であるとした。
また、これらの社会保障施策を選挙の争点としていくような取組みが必要であるとした。
伊藤氏の1時間半の講演を受けて、後半は全体討議となった。
会場からは「応能負担の問題点」「介護と社会参加を切り離すことができるのか。難病では社会参加と介護は切り離せない」「支援費制度の運用の変更により、ヘルパーの待遇の低下があり、経験豊富なヘルパーの退職が相次ぎ、長時間介護の必要な重度障害者へ派遣が困難になっている。」問題や、「この状況を総合化に向けたチャンスと捉えるべきである」という意見、また、「障害者が65歳になると、窓口が障害者から高齢者に変わる」こと、それに伴い「障害者として必要な補.装具受給ができなくなる。」「全身性障害者を介護保険の要介護認定で判定することの問題点」などが提起された。