●最新のニュース20030127-1
(文責:政策委員長 太田 修平)
1月24日(金)本協議会、日本身体障害者団体連合会、全日本手をつなぐ育成会、DPI日本会議の4団体と厚労省との折衝は深夜にまでおよんだ。結局、足利企画課長からのメモが4団体に渡され、説明を受けた。4団体としては、大臣回答と受け止められないとの共通認識に立っている。
24日昼、自民党の障害者特別委員会内閣部会合同部会の終了後、障害保健福祉部は4団体に対し、「大臣から指示を受けているので要望に口頭で回答したい」との申し入れを受け、協議の場を持った。その場で4団体は「大臣から直接回答を受けたい」と主張し、障害保健福祉部も「大臣と相談する」との回答をした。
この日は要望書の最終期限の日であったため、DPIのメンバーを中心に約200名が厚労省前で午前11時よりビラまき行動をしていた。
昼の折衝の後、なかなか回答が出なかったため、寒さ等もあり、参加者は苛立ちの度を深めていった。DPIは参加者を庁舎内で待機させるように、厚労省に要請したが、認められなかった。
7時過ぎ、厚労省・足利企画課長は、「大臣から回答するように指示されているので、自分が口頭で説明し、そのメモを配布したい」との申し入れが、本協議会の太田政策委員長、DPI三澤事務局長に対しあった。これに対し、本協議会、DPIともに、「この異常な事態を厚労省は認識していない。この間誠意が感じられない」と、回答を受けることを拒否した。
4団体は、参加者解散後、24日の期限が刻々と迫る中、打開を図るための協議を緊急に行ない、障害保健福祉部が午後11時の段階で、協議をしたいとの情報もあったことから、「提案があるのならば、厚労省の事務局提案として聞くだけ聞いてみよう」ということに達し、11時20分急遽足利企画課長らと話し合いを持った。
足利企画課長が出したメモは私たちの期待を裏切るものであった。従来通りの立場を繰り返した上で、「基準の設定に当たっては、現状からの円滑な移行を図ることとし、従前の補助金を下回る市町村については、移行時において原則として従前額を確保できるようにいたしたい」という内容が明らかにされたぐらいであった。4団体は1年間を試行期間とし、じっくり検討した上で結論を出すべきだとの立場である。この日、坂口厚労大臣が記者会見で「1年なり2年なり経過措置を講じて障害者が生活実態を変えなくてもいいようにしなければならない」と述べたとの報道もあり、同じ内容の案が出てくるという期待感もあった。
この足利メモを受け、各団体は次の方針を決定することとなるが、27日に4団体として再度障害保健福祉部との折衝を持つ公算が高い。本協議会理事会としては、この袋小路の状況を好転させるために、他の3団体と歩調を合わせながら、28日(火)の課長会議に標準を合わせ、ぎりぎりのまで折衝していく方針である。
なお、足利メモは以下の通りである。(枠内は統一要望)
1 直ちにホームヘルプサービスに関する検討委員会を、ホームヘルプサービス利用当事者過半数で作ること。 2 15年度は、現状のホームヘルプサービス国庫補助金交付の仕組みを変えずに行ない、支援費単価で現状の仕組みに不都合があるか、調査研究すること。 |
についてお答えいたします。
〇支援費制度では、障害者がどこの地域でも一定のサービスが受けられるようにすることが必要です。
〇支援費制度の施行により、単価引上げ、事業者参入等を通じ、サービス提供のための基盤整備が図られるものであり、これにあわせて、現行の著しい地域格差を是正し、全国的にバランスのとれた整備を進めることが必要です。
〇このため、支援費制度が施行される本年4月から、公平・公正に国庫補助金を配分するための基準を設定することについて、是非ともご理解いただきたい。
〇その基準の設定に当たっては、現状からの円滑な移行を図ることとし、従前の国庫補助金を下回る市町村については、移行時において、原則として従前額を確保できるようにいたしたい。
〇また、検討の場を設け、調査研究を行うことについては、異存はありません。検討に当たっては、関係者の意見も十分伺うこととしたい。
3 市町村障害者生活支援事業を障害児(者)地域療育支援事業について、地方交付税措置をとりやめ、国庫補助金制度に戻すこと。 |
ということについては、
〇障害者相談支援事業において、市町村・都道府県が果たすべき役割は、支援制度の施行に伴い、全ての地域において障害者行政として整備されるべき一般的な機能であり、また、地域の実情に応じて、より弾力的に展開されるべきものと考えます。
〇したがって、こうした事業について全ての市町村や都道府県において実施すべきという認識に立って、今後、関係会議等を通じ、十分指導してまいりたい。